その他相続のご相談
相続のご相談は遺産分割だけではありません。遺留分の請求や遺言書の作成、相続放棄など、状況によって取るべき手続きは変わります。
中には手続きの期限が定められているものもございますので、気になることがございましたら早い段階でご相談ください。
遺留分侵害額請求
人が亡くなったとき、法律上当然に財産を引き継ぐ立場となる人を「法定相続人」と呼び、配偶者、子や孫などの直系卑属、父母や祖父母などの直系尊属、兄弟姉妹が該当します。このうち兄弟姉妹を除く相続人には、最低限確保できる遺産の取り分が定められており、これを「遺留分」といいます。
つまり、相続人の要件を満たす限り、遺産を受け取れることが保障されています。遺言や生前贈与によってこの遺留分が侵害されていた場合、侵害された方は不足分を金銭で請求することができます。
請求する場合の進め方
- 相手方と話し合えるようであれば、合意した内容を書面に残します
- 話し合いが難しい場合は、内容証明郵便で請求します
- それでも解決しなければ、家庭裁判所の調停へ進みます
- 調停でもまとまらない場合は、地方裁判所への訴訟となります
裁判所を介した手続きまで進めば、支払いがなされない場合に差押えなどの手段を取ることもできます。
請求を受けた場合に確かめること
- 請求者に遺留分の権利があるか
- 時効が成立していないか
- 主張されている内容が事実か
これらを検討したうえで応じます。なお2019年の民法改正により精算は金銭で行うこととされましたが、すぐに用意できない場合には、裁判所に支払期限の猶予を求めることができます。
遺言書作成
遺言書を残しておくことで、亡くなった後の争いを防ぎやすくなります。財産がそれほど多くない場合でも、不動産や車のように分けにくい遺産があれば話し合いは難航しますし、相続人が複数いればなおさらです。
遺言書を残しておくとのメリット
- 誰に何を遺すかを、ご自身の意思で決めておけます
- 家族へのメッセージ(付言事項)を添えることで、残された方々の話し合いがまとまりやすくなることがあります
- 弁護士にご依頼いただいた場合は、作成から遺言執行、開封後に争いが起きたときの対応まで続けてお引き受けできます
遺言書の3つの種類
| 自筆証書遺言 | 本人が手書きで作成する方式です。手軽な一方、形式や内容に不備があると無効になるおそれがあり、開封時には家庭裁判所の検認が必要です。遺言の存在を家族にどう伝えておくかも考えておく必要があります。 |
| 公正証書遺言 | 公証役場で作成する方式です。証人2名の立会いのもと、公証人が本人から聞き取った内容を筆記します。自筆が難しい方でも作成でき、公証役場で保管されるため紛失の心配がありません。 |
| 秘密証書遺言 | 内容を誰にも知られずに作成できる方式です。ただし不備によって無効となる可能性があり、自宅保管のため発見されないおそれもあることから、実際に用いられることはほとんどありません。 |
相続放棄
相続放棄は、預貯金や自宅などのプラスの財産も、借金などのマイナスの財産も、いっさい相続しないという手続きです。亡くなった方に多額の借金があった場合でも、相続放棄をすれば返済の義務を負うことはありません。
判断の前に知っておきたいこと
- ご自身が放棄すると次の順位の方が相続人となり、その方に借金が回ることがあります
- 相続人の間で足並みをそろえておく必要があります
- 一度手続きをすると、やり直しはできません
手続きの流れ
- 財産調査と相続人調査を行い、放棄すべき状況かを確認します
- 相続放棄申述書、被相続人の住民票除票または戸籍附票、申述人の戸籍謄本などを揃えます
- 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ申し立てます
- 審査を経て認められると、相続放棄申述受理通知書が届きます
成年後見
成年後見は、認知症や精神障害によって判断能力が十分でなくなった方の財産を守るための制度です。ご本人に代わって家族などが財産を管理できるようになります。法定後見と任意後見の2種類があり、いずれも家庭裁判所への申立てが必要です。
2つの種類
| 法定後見 | 判断能力が実際に低下してから利用する制度です。後見人を選ぶのは裁判所ですので、申し立てた方が必ず後見人になれるわけではありません。診療や介護サービスの契約、医療費や税金の支払い管理などを代理しますが、婚姻・離婚・養子縁組や遺言書の作成は代理できません。 |
| 任意後見 | 判断能力があるうちに、将来に備えてご本人が後見人を選んでおく制度です。何を委任するかもご本人が決められ、複数の方を指定して役割を分けることもできます。公証役場で契約を結び、実際に判断能力が低下した時点で家庭裁判所に申し立てます。 |
成年後見は遺言書と同じく、ご本人の意思がはっきりしているうちに備えておくことが大切な手続きです。
相続財産清算人
2021年の民法改正(2023年4月1日施行)により、それまで「相続財産管理人」と呼ばれていた制度が、実態に合わせて「相続財産清算人」へと名称が変更されました。また、新たに別の制度としての「相続財産管理人」が創設されました。
相続財産清算人とは
相続人がまったくいない場合、または相続人全員が相続放棄をした場合、利害関係人または検察官の請求によって、家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立てることになります(民法951条、952条1項)。申し立てられるのは、特別縁故者になり得る方や、亡くなった方にお金を貸していた債権者などの利害関係人です。清算人は、相続財産を管理するとともに、相続人の存否を確定し、また相続財産から弁済を受けるべき債権者・受遺者を確定し、相続人不存在が確定した場合には相続財産を清算して残余を国庫に引き継ぐ職務を担います。
相続財産管理人
相続人が存在しているが、行方がわからない、認知症などで財産管理ができない、適切な遺産分割協議や管理が行えないような場合に、利害関係人または検察官の請求により、家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てることになります(民法897条の2)。2021年の民法改正で新設され、財産の管理・保存を行い、相続人が自分たちで遺産分割などを行えるようになるまでのサポートをすることが主な目的とされています。
特別縁故者
法定相続人がいない場合、亡くなった方と特別に親しい関係にあった方が遺産を受け取れることもあります。この方を特別縁故者といいます。特別縁故者にあたる方としては、内縁の配偶者、養子縁組はしていないものの長く一緒に暮らしていた方、看護や介護にあたっていた方、生前に財産を譲るという意思を本人から伝えられていた方などです。
ご相談にあたって
ここに挙げた手続きのうち、遺言書の作成や成年後見のように、お元気なうちに準備しておくものもあります。どれが適しているのか、あるいはいくつかを組み合わせるべきかはご事情によって変わりますので、お話をじっくり伺ったうえで、ご一緒に方針を考えてまいります。
また、当事務所は司法書士をはじめとする他士業とも連携しておりますので、登記などの手続きが必要になる場面にも対応いたします。初回のご相談は無料でお受けしております。
相続のご相談は当事務所へ
どの手続きを取るべきか分からないという段階でも構いません。
三軒茶屋駅から徒歩2分の場所にございますので、どうぞお気軽にお越しください。